|
|
第2回
「食育」のゆくえは?
2005年6月10日、参議院本会議において食育基本法が可決成立した。 2002年11月に自民党内に食育調査会を設置してから2年半余り、2004年3月に法案を提出してから1年余りの歳月である。 食をめぐる環境が多様化している今、この食育基本法の成立は、戦後食の大切さをどこかに置き忘れてきた日本社会にとって大きな意義を持つものと思う。 しかし、民主党の意見によると、「食は個々人の選択と自由に任せるべきで国家が介入すべきでない」という。 それも一理あると思う。この法律では、食育を国民運動として展開することが盛り込まれ、内閣府に食育推進会議が設置される。この動きの中で、国家がどのように介入するかが大切である。 個々のQOLを尊重した食の支援をいかに展開するかがカギといえる。
「食育」という言葉がよく聞かれるようになって4〜5年程経つだろうか。 今や食育を謳った講演や研修会、講習会が目白押し。 この食育の追い風はいつまで吹くのやら、お祭り騒ぎに終わらないうちに当たり前のこととしてとらえることができるよう定着させたい。 栄養士への期待の声をあちこちで聞く日々を送りながら、私たちは、赤ちゃんからお年寄りまで一貫した食生活支援に取り組むためにどう動けばよいのか。 全国でさまざまな取り組みが行われているが、その有効性を明確にし、乳幼児・小学生・成人等に沿った支援の方法論を確立することが急務とも思う。 そのために、他の職種とも手を結び多方面の角度から支援する中で栄養士の専門性を発揮していきたい。 うさこ
戻る |
|